父親への愛が生んだ温麺

温麺と書いて「うーめん」と呼ぶこの麺は、素麺の一種で、宮城県白石市で作られている特産品です。通常、素麺というのは、乾燥を防ぐために表面に油を塗るのですが、温麺の特徴は、この油を塗らないこと。長さも通常の素麺より短く、10センチ程度のものが主流。ただし、昔は長い温麺もあり、この長い温麺は作るのが難しい上等品として、藩主などへの献上品として使われたそうです。余談ですが、昔はこの長い温麺を「素麺」といい、短い下等品を「温麺」といったとか。素麺は主に夏場に、冷やして食べられることが多いですが、温麺は冬に暖かい麺として食べられることが多いです。温麺は、江戸時代初期に、白石藩のお膝元に住んでいた鈴木味右ェ門という人物が、胃腸の弱い父親のために旅の僧侶から油を使わない麺の作り方を教わったことがはじまりあるといわれています。江戸時代には白石三白と言われるものがあり、その中に、白石葛、白石和紙とならんで、白石温麺が入っています。短いため、茹で時間も短くて済み、食べやすいと評判です。また油を使っていない分、健康にもいいそうです。

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