豪雪地帯の保存食

干物の身欠き鰊を山椒と交互に重ねて、醤油で漬けた会津地方独特の保存食。会津では干物の鰊のことを「にしん」といい、生の鰊のことを「かどいわし」と言います。江戸時代頃から食べられていますが、会津は山に囲まれていて、海のものが手に入りにくかったので、山椒をいれて保存性を高めていました。鰊は、会津の人間にとって、とても貴重なタンパク源で、北海道の海産物を本州へ運ぶ北前船が、会津に鰊を運んできたのがはじまりといわれています。また、戊辰戦争に負けた会津藩が、下北半島へ移封となった際、波で打ち上げられる大量の下北の鰊で作ったという話もあります。また会津には会津本郷焼という焼物があり、会津の人々は、この本郷焼でつくられた「にしん鉢」という四角い専用の鉢を使って、この料理を作ります。1958年には、宗像窯の作ったにしん鉢が、ベルギーブリュッセル万国博覧会で最高賞のグランプリを受賞し、世界的にも知られるようになりました。山椒には防腐効果があり、また香辛料としても優秀なので、お酒のおつまみにぴったりの一品です。ぴりっとした辛さは、ご飯と一緒に食べても、これまた絶品。